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袋から出て顔の横に大根
点滅の信号急ぐ落葉かな
冬の夜や食堂の水ちょっと飲む
ボーナスをもらいて御所の道広し
十二月 四首
讃美歌の音まちがえる九月尽
我もまたいつかおんぶばったの死骸
自転車の声聞き返し秋惜しむ
教会の長きパイプに冬来る
冬めくや長男の命に従う
十一月 五首
秋晴れや手をふるスクーターの二人
天井に二つの画鋲ひややかに
秋の夜のチャンネル変える時の黒
身に沁みて我カウンセラー役の方
天高し世界の見え方も変わる
十月 五首
蟷螂のハザードたいて止まりおり
秋の夜のドアノブにかけて返す本
円形に椅子を並べる秋深し
九月 三首
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